地震前兆の目撃報告が集まる掲示板

パフェさん

> 経験からおかしいと思ったら、気をつけ、万が一の被害を少なくしたく無いですか？

おっしゃることはもっともですが、もう少し具体的に

「どういう防災行動を発動するのか」
「どういう基準で発動の有無を判断するのか」

について、もう一段階掘り下げて考えてみるのはいかがでしょうか。

よく「気をつけます」「警戒します」「用心します」「防災グッズの在庫を確認します」といった宣言をする方がおられますが、こういった行為で地震の第一波から命が救われることは、まず、ないと思ってください。掲示板に「投稿された報告」で得た情報から命を救うとすれば、それは

「今日は通勤（通学／その他の行事予定）をやめて、自宅待機（または安全な場所へ避難）する」

といった「脱日常」的行為の発動しかありません。

この掲示板には、様々な地震前兆現象？が毎日のように投稿されますが、その全てを鵜呑みにして、命を救うための「脱日常」行為を毎日繰り返す訳にはいきませんから、自分なりの何らかの根拠や判断基準を持って、投稿された情報を吟味して「脱日常」的行為を発動するか／しないか、を判断しなければならないのです。

「おかしいと感じたら」というポイントですが、異常と判定するためには、正常の範囲について正しい知識を持っていることが前提となります。個人がその人生の中で経験してきたことは、過去、人類が蓄積してきた知識体系と比べれば、ほんのごくわずかです。まだまだ解明されていない現象は数多くありますが、逆に
「自分はその現象を目撃した経験はないが、発生原理はきちんと解明され、全く心配のない現象であることが判明している現象」
も多少は存在します（例えば《皆既日食》《オーロラ》《大気光学現象》《見たことのない不気味な形の雲》《大火球》など）

一方、311以降、日本で発生した死者の出た地震は

2011年3月12日 長野県北部で地震 - Mj 6.7（Mw 6.3）死者３人
2011年4月7日 宮城県沖で地震 - Mj 7.2（Mw 7.1）死者４人
2011年4月11日 福島県浜通りで地震 - Mj 7.0（Mw 6.7）死者4人
2011年6月30日 長野県中部で地震 - Mj 5.4　死者１人
2011年10月3日〜10月12日 富山県東部の長野県との県境近くで群発地震のMj 2.4（最大震度1）死者1人
2012年3月14日 千葉県東方沖で地震 - Mj 6.1 死者1人
2012年12月7日 三陸沖で地震- Mj 7.3（Mw 7.4）死者2人

しかありませんでした。それは、この掲示板に24時間365日のように投稿され続けている報告の大半が「人命に関わる大地震の前兆ではなく、それ以外の原因で発生した現象」だった事実を示す重要な根拠です。

私は、「前兆現象」について深く調べれば調べるほど、ほとんどの現象については、いずれもそのペアとして「見た目は全く同じだが、前兆とは関係ない別の理由でも発生する現象」が存在する事実を知るに至りました。これらを区別するための知識を高めることが、今後「防災行動」と「日常生活の維持」とのバランスを適切に保って「賢く生き残るための知恵」となるはずです。