地震前兆の目撃報告が集まる掲示板

> 大規模災害時は110キロ程度ならあまり距離は関係ない。
> 万が一、仮定として南海トラフのような大震災が発生したら震源にもよるが津波の2次災害で距離はあまり関係ないと思われる。

御在所岳と尾鷲を結びつけた言い訳として、そんなことを真顔して書くから、貴殿は味噌とクソの区別ができてない、と批判されるんだ

南海トラフ、およびそこからマントル深くに潜り込むプレート境界面の位置と、今回の尾鷲と御在所岳との位置を突き合わせてみてから、上の文章を読み直してみるといい

東北地方太平洋沖地震、いわゆる311の震源域は、太平洋プレートと北アメリカプレートの境界面付近の、幅約200km×長さ約500km＝約10万平方km、という広大な範囲だったので、そのことが言いたいのだろう

だが、311にせよ、この広い範囲で地震前兆現象が発生したわけではない

この広い範囲のうち、初動が発生したのは三陸沖の北緯38.1度、東経142.9度、深さ約24kmの地点だ

この初動地点の周辺では、3月9日のM7.3、最大震度5弱の地震とその余震が活発に発生しており、後から振り返ればこれらが前兆（前震活動）だった可能性があると考えられている

長さ約500kmの広大な311震源域のうち、上に書いた初期の震源以外の領域は、もともと歪みエネルギーは溜まっていたものの動き始める兆しがなかった、というのが大事なポイントだ（初動が発生し、その影響を受けたからこそ発生した、という仮説を「連動型地震」と呼ぶ）

> こういう微妙なニュースに関心を持つことは悪いことなんでしょうか？

関心を持つ自体、結構なことであり、オレが批判しているのはそこではない

関心を持った現象について調べたり、考えて、その原因の可能性を何通りも想定するのはさらに良いことだ
ところが貴殿のように、調べたり考えたりせず、自分の中に思い浮かんだ唯一の可能性を既定の骨格として、そこに自分の思いつきに都合良さそうな材料だけ選り好みして、肉付けしてゆく考え方を批判している

> 他の選択肢を否定はしていませんよ。

正しく言い直せば、貴殿の頭の中に真っ先に「ひとつの選択肢」が浮かんだ時点で、他の選択肢を探すことをやめてしまっている、ということだ

> ただ原因がわからず不思議な現象に対しニュースがあったので報告したまでです。

自分の目で見たものに限らず、ニュースで見かけた不思議な現象をここに報告してくれるだけでいい
そこに主観を添える必要はないし、むしろ主観を添えることによる害悪の方が大きいということ

> 貴殿の言われるようなこと
> 10%の開花で1本だけしか満開になることは
> 上記条件には当てはまらないのではなかろうか？

動物にせよ、植物にせよ、あらゆる生物には、個体ごとの多様性というバラツキが存在する
だから、貴殿のその反論は成立しない

> もし同じような現象がおきている事実があれば証明していただきたい。

オレは想定すべき選択肢の数を増やす方向の提言をしたが、その工程では証明は不要
その後、複数の選択肢の中から絞り込んでゆく工程に進めば、証明が必要になる場合もあるだろう

> 地震前には地中の岩石破壊によってパルス電磁波が生じるといわれる。

これは「圧電効果」「ピエゾ効果」という、我々も日常的にお世話になってる現象

ライターやカセットコンロを点火する際、「カチッ」と火花が飛ぶ現象のことだ

> 海中にも電流が発生し、それを回避するために深海から水面付近に上ってくるものではないかと考えられる。
>
> 深海という、より海底に近い環境で生息しているからこそ、とりわけ敏感に地震前兆を感じ取っているのかもしれないのではないだろうかと推測する。

メガマウスが捕獲された原因の可能性のひとつとして、この仮説を選択肢のひとつに加えることに異論はない

ただし、この「地震前兆段階の極めて微小なパルス電磁波程度で今回のような異常行動を起こしてしまう」という仮説を提唱する人に尋ねたいことがある

もし、この仮説が正しいとすれば、海底で地震が発生した際は、桁違いに強いパルス電磁波が、桁違いに広い範囲に放出されることになるため「海底で地震発生後は、メガマウスの捕獲事例が増える」事例が過去に蓄積してきたはずだ

ところがそのような事例が全くない現状について、どのように説明できるだろうか

> 三重県熊野灘がメタンハイドレートの濃集域でもありメタンガスが海底地層から放出され海水温が上昇・海中の酸欠状態発生→浮上してきた可能性も否定できない。

メタンハイドレートの放出に伴う「海水温が上昇・海中の酸欠状態」が、生物に与える影響の有無について、オレは門外漢なので見当もつかないが、これも可能性の選択肢のひとつとして加えておくことに異論はない

> しかしこのガスが放出するには地殻変動により海底のマイクロクラックから放出された起因によることが想定される

メタンハイドレートは、海底からわずか数百メートル掘り下げた【浅い】場所に存在する
地球深部探査船「ちきゅう」の掘削能力からすれば、朝飯前とも言える浅さだ
https://goo.gl/OWhNxZ

それより深くなると、地温が上昇するためメタンハイドレートとして存在できなくなる

一方、地震の震源深さは10〜数十kmの深さであり、ここでマイクロクラックが発生したところで、メタンハイドレートが存在するような浅い部分にまでそのクラック（ひび割れ）が広がることはない（ここまでクラックが広がるとすれば、それはもはや「前兆」ではなく、「相当大規模な地震」そのものであり、これによってメタンハイドレートの海水中への放出〜深海魚の酸欠が生じるのであれば、これもまた「メタンハイドレート埋蔵域での地震発生後は、メガマウスその他深海魚の捕獲事例が増える」事例が過去に蓄積してきたはずだろう

> ことから海底の異変を地震・火山活動と結びつける方が普通の常識的な道理ではないでしょうか？

どうやら貴殿には、パッとひらめいた思いつきに対して、調べも考えもしないうちから「普通の常識的な道理」と過大評価してしまう悪い癖があるようだ

> 三重県沖からのメガマウスが捕獲されて１〜２ケ月以内M6以上の大震災と限定させると
>
> 日本の東北から九州までじつに大地震が4つも発生している熊本地震は水揚げされた日の夜に熊本地震の前震（M6.5、最大震度7）が発生し、2日後に本震が起きたという遅延の短さは若干気にはなる所ではあるが、、
>
> ・ 1997年4月30日：三重県尾鷲市沖 → 1997年5月13日：鹿児島県北西部地震（M6.4）
> ・ 2005年1月23日：三重県度会郡紀勢町沖 → 2005年3月20日：福岡県西方沖地震（M7.0）
> ・ 2011年1月14日：三重県尾鷲市沖 → 2011年3月11日：東日本大震災（M9.0）
> ・ 2016年4月14日：三重県尾鷲市の漁港 → 2016年4月16日：熊本地震（M7.3）
>
> 決めつけはしたくはありませんが、これ以外で考えられるDarkさんの見解を聞きたいです。

まずは、国立研究開発法人「防災課学術研究所」のWEBサイトに公開されている
「=== 表1.4　日本周辺で1997〜2014年の18年間に発生したマグニチュード別の地震回数（気象庁地震カタログによる） === 」
https://goo.gl/jtbLj9
をじっくりご覧いただきたい

注目すべきは

「日本周辺ではM6.0以上の地震は２〜３ヶ月に1度程度は発生している」

という前提がそもそも存在することであり、これは言い方をかえれば、

「日本周辺は常に、M6.0以上の地震が発生する２〜３ヶ月前の状態にある」

ということだ

４つの事例を挙げてくれたが、これをメガマウスの捕獲の代わりに、他にどんな事例で置き換えても、似たような確率で「的中」したように錯覚してしまう

これは統計の仕組みを知らない者を騙せる時に使える便利なトリックだ

このトリックのポイントをおさらいしておくと

・発生地域を日本全体、とユルユルに広げてしまっている
・発生時期を１〜２ケ月以内、とユルユルに広げてしまっている

の２つだ

実際に防災対策の発動を判断する立場に立って考えてみるといい

「日本のどこかで、１〜２ケ月以内」

といったユルユルの予測情報ぽいネタを入手したところで

「自分の地域が危険なので、普段ならできないレベルの高い防災行動を発動しよう」

という判断には結びつかないだろ？

> 植物等がいつもと違うと何かを感じとっているのかなと思ってしまいます。

何かを感じ取っていることは間違いないが、自分の関心対象である「地下のできごと」だけにえこひいきしたり、重み付けしたり、はしないことだ

> 自然現象は何らかの危険を警告してくれているのかもしれませんね。

自然現象は、決して何らかの危険を警告してくれたりなどしない

これは言葉のあやでも、揚げ足とりでも、屁理屈でもない

人類は経験を繰り返す中から

「ある危険な現象の前に、こういった現象が起きる（ことが多い）」

という関連を学び得た成果があるからこそ、そのような用途として応用できるようになった

貴殿はそれとこれを混同している

見た目が怖いとか、
初めての現象だとか、
珍しい現象だとか、
・・・などは、危険の警告ではない

まずは、思い込みや錯覚を排除して関連の有無を見抜くことが、全ての始まりだ